9月のテーマは「野生動物獣医体験」です!
こちらは協力してもらったモルモットちゃん(もちろん野生動物ではありません…)。
今月は私の仕事に関わる内容を取り上げました。
野生動物の救護の今をお話していきながら、『命』に対するみんなの考えを深ぼりしていきました。
野生動物の救護でよくあるのは『誤認救護』。
特に巣立ちの(羽ばたく)練習をしている時期の鳥を、間違えて救護してしまう(親と離してしまう)ことが本当に多いんです。
そもそも野生動物はペットと異なり管理者はいません。距離感をもってお付き合いすること、そして、自然界の命の循環にはむやみに手を出す必要はありません。
…という事で、救護の要・不要を法律や倫理の面からクイズでお話しました。
そして、もしも救護をするなら、最後まで関わろう!の練習をしました。
こちらは小鳥の緊急救護の一時巣作りの様子。
たくさんある救護の手順も確認し、「命を預かるって大変なんだね…」の声も。そう。最後まで関わるって大変なのです!
今回は野生動物の体重計測練習や吹き矢体験も行いました。
限られた物品で生き物にストレスを与えずに、捕獲計測まで行うか…にチャレンジです。
チームワークが必要な大型獣の体重測定に四苦八苦。声を掛け合いながら取り組みました。
(練習台にはぬいぐるみや標本をつかいました~)
口で吹かない!肺と腹から短く強く吐き出す!…ってついスパルタになってしまいました(笑)
的まで届かない~!の図。大丈夫トレーニングすれば!!
2回目では縫合と採血トレーニングを行いました。
持針器やカーブ針に苦戦しながら丁寧に縫合していきます。手にはびっしょりの汗の子も。
「これが本物だと思うと…お医者さんも獣医さんもすごい!」の声も。
自分が注射されてないのに痛い気がする!!
…ええ。実際すごく痛いのよ。
昔、大学時代に医学部の学生さんの注射実習の実験台になったときの話は盛り上がりました。
血管じゃないとこさしたでしょ~!!2回も刺さないで!…なんて悲鳴も上がりながらも、刺す側は汗びっしょりで話聞いていないという…図。
そして、最後はモルモットの身体検査(心拍や体温計測)等を行いました。
始めは抱っこできなかった子も、モルモットを抱いた時の暖かさを感じるともう離さなくなります(笑)
運び込まれる野生動物は、ほとんどが重症の場合が多いんです。そのため、1~2割助けられれば良い方。
だからこそ、1匹の命の重みと温かさがどれだけ嬉しいか。
そんな現実のことも写真を交えて1頭1頭のストーリーをお話させていただきました。
こちらは私の家族になったヘルマンリクガメのマルです。
この子は捨てられた、または、逃げ出した子として拾われて、まわりまわって我が家に来ました。
野生動物の問題の中には、ペットの無責任な放棄から起こった外来種の問題があります。
無責任な野生動物への餌付け。
無責任な放棄。
無責任で適当な救護所への搬入。
本当に苦しく悲しく腹立たしい現実をお話しました。
まだまだできることはあると思うけれど、追い付かずに救えない命がたくさんいます。
今回は高学年以上には野生動物の救護の現場で起こっている問題について、解決策を考えて論述してもらいました。理想でもいいよ、って伝えましたが…
「教科書に掲載して学ぶ機会をだれにでも」
「専門技術を学べる大学の拡充を」
「無責任な行動への法律をきびしく」
「コンビニに救護キットを」
素敵なアイデアをたくさん書いてくれました。これらが叶えばきっと救える命も多くなるでしょう!
今回の活動をきっかけにぜひご家庭でも生き物との付き合い方を話してもらえたら嬉しいです。
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